〔081〕 間ノ岳 (3,189m)
〔166〕 農鳥岳 (3,026m)
標高差:2,369m

2011年10月11日(当時62歳)



山梨県南アルプス市
日本百名山に戻る
Road Map :中部横断道を増穂ICで下りて身延まで南下し、県道37号線を奈良田まで北上する。
Route Map:北岳山荘を出発して、間ノ岳〜西農鳥岳〜農鳥岳を縦走し、大門沢下降点から奈良田まで歩き通す。
北岳山荘 中白峰 間ノ岳 農鳥小屋 西農鳥岳 農鳥岳 下降点 大門沢小屋 奈良田P
:32 :03 7:56 :01 10:00 10:38 11:25 13:15 16:17
北岳山荘泊
 夜中に目が覚めると山荘を揺らす程の風が吹いていた。この強風なら間ノ岳への尾根道は歩けないだろう。
朝5時頃には風が収まっておりほっとする。朝食は6時からと山小屋としては遅めであるので、間ノ岳ピストン組は朝飯を食べずに出発して行った。 夕食に続き、朝飯も豪勢で美味かった。 さて、お弁当は・・・
鳳凰三山でダメージを受けた足は3日目の今日もまともに階段を下りられない程、痛みが走る。
筋肉痛ではなく、筋肉が硬直している筋肉疲労の感じ。これ程ダメージが残ったのは初めて。 歳のせいか!
間ノ岳
西農鳥岳
登り:4時間06分(農鳥岳まで)
下り:5時間00分(農鳥岳から、昼食時間除く)
コースタイム:9時間45分(休息時間含む)
太子町の御夫婦と埼玉の御夫婦は朝食を食べずに ”間ノ岳”へ
出発された。 道中、又、どこかでお会いするだろう。
目覚ましに外に出てみると気温は4℃、風が残っており寒いが
氷点下にはならなかった。 日の出前の富士山を写す。
御来光は山荘の部屋の中から写す。 東京のフランス料理屋御夫婦と話しするが、奥さんは高山病で体調が
悪いらしい、富士山でも発病したとか。 旦那の若いシェフは人柄が良く、凄く友達になりたいと思った。
店が近くなら山談義をしにフランス料理を食べに行くのに・・・似合わないか。
美味い朝食を腹一杯食べて、6時32分に ”北岳山荘”を出発する。 今日の天気は午前中、
薄曇りらしいが、ガスらないならOKである。 ダメージを受けている足は常に攣りそうな
感じで心配であるが、登り始めて暖機が済むと少しは楽になってきた。
何度も何度も振り返り ”北岳”を見る。
ここから見る ”北岳”はかっこいい。
”間ノ岳”に続く標高3千mの稜線を見る。
31分にて ”中白根山”(3,055m)に着く。 尾根筋の途中にしか見え
ない ”中白根山”であるが、尾根筋全体が3千mを越しているのだ。
先行者は2人のみ、2人共、足が早いが要所で休憩してくれるので追い
付く。 若い方は足を痛めているのか盛んにストレッチをしていた。
”中白根山”が近くなり、”間ノ岳”も見え出した。 朝の冷え込みは
思った程ではなく、風があるが防寒着を必要とする程ではなかった。
”中白根山”から ”北岳”を見る。
肉眼でもあのスリリングな崖っぷちトラバース路は見えなかった。
48分にて ”間ノ岳”登頂を済まされた坂口さん御夫婦と会う。
昨夜も今朝も夜叉神峠の駐車場まで送って行くから、一緒に奈良田
まで縦走しようと誘ったが、旦那の方が遠慮してか、首を立てに
振ってくれなかった。 反面、奥さんは乗り気だったのに・・・
前回、この稜線で ”ライチョウ”を見掛けたが、今回は見掛けない。
寒くなると標高の低い方に移動するのだろうか。
中央アルプスも見えているのだが、薄く霞んでおり ”宝剣岳”が同定出来た程度だった。
遠過ぎて写真にはならない。肉眼では ”八ヶ岳”も見えていたが、写真には載っていない。
1時間24分にて ”間ノ岳”(3,189m)に着く。 薄曇りながら
360°の展望が得られたので、これでリベンジ達成である。
今日、山中で見掛けるのは先行している2人のみ。 何とか2人には付いて行きたいと思うのだが、
引き離されてしまう。 山頂では休憩してくれるだろうから、その時にでも追い付きたい。
”間ノ岳”から南アルプスの全山が見えている様であるが、
”塩見岳”が判る程度で他の山は同定出来ていない。
木製の山頂表示柱は ”東海パルプ”独特のものである。
”農鳥小屋”までは穏やかに下って行く。
この辺り、夏はお花畑になっている感じがする。
下りでは2人に付いて行くことが出来、お喋りしながら歩く。
休憩もそこそこに標高差390mを ”農鳥小屋”目指して一気に下る。
2時間29分にて ”農鳥小屋”に着く。
風除けされた窪地に多くの小屋が建っていた。
”農鳥小屋”から一登りした休憩ポイントにて今日の山友と記念撮影
する。 左の東京からの若者は山登りを始めたばかりながら、剱、槍〜
奥穂の大キレット縦走等のハイレベルな山から登られているらしい。
低山徘徊から始めた俺とは志がまったく違う。 右の方は日本百名山
完登を目指しておられるとか。 60歳から山登りを始め、現在64歳、元気な方で、登りでは付いて行けなかった。
小屋横で休憩していると話し声を聞いてか、噂のオヤジが出てきた。
挨拶するが返答無し。 噂通りの頑固オヤジ風で近寄り難い風貌。
早々に小屋を離れる。
休憩ポイントから見た眼下の ”農鳥小屋”と格好良い ”間ノ岳”。
ここから見る ”間ノ岳”は別格に男前だった。
前方の岩峰には登ることなくトラバースして行く。
3時間28分にて ”西農鳥岳”(3,051m)に着く。 周辺で一番高い
ピークに登ってみるが、山頂標識が何もなかった。 GPSで確認するとここが ”西農鳥岳”に間違いなかった。 俺に取って3千m峰完登で重要な ”西農鳥岳”であるが、2人は興味ないのか、知らないのか
通り過ぎて行ってしまった。
振り返り見た ”西農鳥岳”はたくましい山容だ。 俺的には”農鳥岳”
より ”西農鳥岳”を日本二百名山にすべきだと思うのだが・・・
前方に ”農鳥岳”の山頂を見ながら穏やかな尾根道を進む。
薄曇りの薄霞でミルクトーンの景観になってしまったが、富士山まで見えているので、
満足するしかない。 年寄りハイカーの方は ”大門沢小屋”に予約を入れており、
ここで昼飯にしてゆっくり下る。 とのことなので、ここでお別れとなる。 登りのスピードは
早いが、下りのスピードは遅い変わった人だった。 ひざでも悪いのか?。
4時間06分にて ”農鳥岳”(3,026m)に着く。 これで日本の3千m峰30座を達成出来た。
日本の3千m峰は最近、富士山で1座とし、中白根山、農鳥岳等は付属の山として削除され
26座に減らされているが、ジャンダルムまで付属の山として削除されているのは許せない。
俺個人としては30座を押し通したい。
”農鳥岳”から見る ”北岳”は ”槍ヶ岳”の様にピラミダルで超格好良い。
”間ノ岳”も男前だった。
予定は ”大門沢小屋”泊まりであったが、東京からのハイカーが明日は仕事で
”奈良田”まで一気に下りると言うので、頑張って付いて行くことにする。
もし、体力的にダメだったら ”大門沢小屋”に泊ることにする。
高山植物が紅葉している中、下降点を目指して下山する。
少し下って ”農鳥岳”を振り返り見るが、
ここから見る ”農鳥岳”は超格好悪かった。
穏やかな道を下って行くと前方に下降点を示す鉄柱が見えて来た。
ガスでも掛かり、これを見失うととんでもない所に行ってしまうが、
今日の天気では見失うことはないだろう。
急斜面をジクを切って眼下に見える ”大門沢”を目指して下りて行く。
4時間53分 ”農鳥岳”から29分にて ”下降点”に着く。
下降点を見失わない様に大きな鉄塔が立っていた。
ここから標高差 2,020mに及ぶ長い長い下りが始まる。
大した紅葉ではないが、退屈さを紛らわしてくれる。
淡々と下るのみであるが、鳳凰三山、地蔵岳からの中道の様な
退屈さは感じない。 中道では ”御座石”で写真を撮ったのみ
であるが、こちらは稜線も見えて、紅葉、黄葉も楽しめた。
登山道は良く整備されており助かる。 今日の山友は淡々と下るのみで余り喋ってはくれない。 無理に聞き出すと学校でカウンセリングをしているらしい。 カウンセリングのプロなら俺の精神状態を引き出して欲しかった。(笑
カメラを向ける気にさせてくれる紅葉。
沢に出ると稜線への展望が開けるが、特筆するピークは見当たらない。
この辺りは涸れ沢で沢水は流れていない。
下り1時間37分にて ”大門沢”の上流部に出る。
この上は崩壊帯であったが、危険を感じる所はなかった。
対岸の黄葉、紅葉が綺麗だった。
本当、雰囲気の良い道が続く。 今日の山友はどんどん飛ばし、
この山中で1人になるのは怖いので、必死で付い行く。
樹林帯に入っても明るく、雰囲気は良い。
何度も沢を渡るこの道は距離がべらぼうに長いことを除けば最高だ。
6時間43分、下り2時間19分にて ”大門沢小屋”に着く。
まだ13時15分、残り3時間30分の為にここに泊るのは勿体無い
ので下山してしまうことに決定。 ここのベンチで昼食休憩とする。
  山小屋で作って貰うお弁当は、これまでひどいものしかなかったが、 ”北岳山荘”のお弁当を開けてびっくり、シャケの混ぜ御飯にたっぷりのおかず、おまけにゼリーも入っていた。  今回の山行きでは ”北岳山荘”の大フアンになってしまった。 前回、便所が臭いとボロカス書いてすみません。 あの時は本当に臭かった。 写真は食べかけを写したもので、最初はたっぷりと御飯が入っていました。
スリリングな橋が多く、退屈しない。
”大門沢小屋”からは沢沿いの道となり、沢渡りが多くなる。
芸術的な廃材を組合わせた橋はギシギシと揺れてスリリング。
手すりロープが付いていたが、役には立たない。
結構バランスを要する丸太端。 滑り止めの切り込みが入れてあった。
うっ! 橋がない。 飛び石で対岸の大岩に飛び移る。
下り4時間09分にて最初の吊橋を渡る。
よく揺れるので1人づつ渡ることにする。
2つ目の吊橋からの高度感。 良く揺れるのでカメラを向けるのが怖い。
そして、2つ目の吊橋を渡る。
下り4時間24分にて3つ目の吊橋を渡ると、工事中の林道に出て、
林道を25分歩き、県道に出てから28分で ”奈良田”の駐車場に戻る。
経験の無い長い下り道
  間ノ岳から奈良田までの標高差は2,369m、累積標高差は3,445mに及び、これまで最長だった馬場島〜剱岳の標高差2,200mを大きく上回った。 しかし、下りだけだったのと、退屈させない変化の多い道だったので、結構、楽に楽しく下れた感じだった。 ここを登りに使う御仁も居られるが、我が体力では絶対に登りには使いたくない。
今日の温泉
  奈良田温泉に入ることを決めていた。奈良田温泉は丘の上にあり、車で行ってみると駐車場が無い。 たまたま出てきた従業員に駐車場のない事に文句を言い、今日の山友を降ろして下の駐車場に車を置きに行く。 少しの坂であるがもう歩きたくないのだ。
  ネットで調べた入浴料は400円だったが、500円に上がっていた。
露天風呂はないが、泉質はヌルっとして良い温泉だった。 3日分の垢を落としさっぱりする。 温泉としてはここより身延側に少し行った白根館の方が施設が立派らしい。
ハプニング
  今日の山友を身延の駅まで送って行く。二人で駅前で食事をした後、別れたが、帰りのSAでリヤフロアーを見ると山友のカメラが落ちていた。 山友は俺のアドレスをカメラで撮っていたので連絡先が判らないはず。 我がHPに「緊急告知」と称して連絡メモを書くと、HPを見付けてくれて、メールが入ってきた。 やれやれ、これで警察に届けなくて済んだ。(名前も住所も聞いていなかった)
2011年度の南ア遠征
    10/09    10/10       10/11  
   鳳凰山 → 北岳 → 間ノ岳、農鳥岳
日本百名山』『日本二百名山』 標高3千mの天空回廊を歩く。
幸い俄か仲間が居るので記念写真を撮って貰う。
2024年3月20日改定